スピントロニクス研究開発センター(SU)

センター長 : 能崎 幸雄(理工学部教授)
活動拠点キャンパス : 矢上

  • SDGs07
  • SDGs09

センター概要

物質中の電子などが持つミクロなスピン角運動量は、その大きさ、方向を電気、磁気、光、熱、そして力学的な回転運動によって制御できる。
スピントロニクス(Spintronics)とは、スピン角運動量と様々な物理量の結合に関する物理を解明し、新たな機能性を創生する新しい学術分野であり、人工知能(AI)に要求される超高速な情報処理・通信を実現する次世代電子デバイスのキーテクノロジーとして注目されている。
慶大は、これまでに本文やで先駆的な研究成果を数多く発表しており、今後も世界との競争と協調を意識しながら積極的に分野発展を先導する必要がある。本センターは、国内外の研究者に門戸を開き、先端的学術成果と共同研究施設といったリソースを統合する共同研究ネットワークを構築することにより,我が国の優位性とプライオリティーを確保することを目的とする。

キーワード・主な研究テーマ

スピン量子コンピュータ、窒素空孔中心、同位体工学、スピン流、マグノン、スピントルク素子

2020年度 事業計画

■2019年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標

「スピントロニクス研究開発センター(SU)」では、2008~2018年度に設置された「スピントロニクス研究センター(センター長 伊藤公平)」において実施された基礎分野を中心とする研究成果をさらに発展させ、基礎から応用の幅広い領域で世界をリードする研究成果を発信し、慶大が日本のスピントロニクス研究の中心的役割を果たすことを目標とする。スピントロニクスとは、物質の電気特性と磁気特性の双方を制御することにより得られる新しい物理現象を見出し、その成果を電子・情報通信産業のイノベーションに結びつける新しい学術分野である。その創成と発展には、本塾の研究者と出身者が大きく寄与しており、今後の基礎学問としての更なる発展と産業界における応用を先導するために2019年度から引き続きスピントロニクス研究開発センター(SU)を運営し、スピントロニクス研究開発の推進と情報発信を行う。

■2020年度の新規活動目標と内容、実施の背景

本センターは、塾内のスピントロニクス研究者の拠点であると同時に、国内外のスピントロニクス研究者間の連携を推進するスピントロニクス連携ネットワークの中心としての任務を遂行する。そのため、日本のスピントロニクス分野の研究者コミュニティの代表として、東大・東北大・阪大・慶大の4大学が「スピントロニクス学術研究基盤と連携ネットワーク(Spintronics Research Network of Japan, Spin-RNJ)」拠点形成計画を「学術研究の大型プロジェクト-ロードマップ2020」として応募し、重点大型研究計画として採択された(採択日:2020年1月30日)。これにより、文部科学省の「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想-ロードマップ2020」への応募が可能となった。これは、重点的な国費投入が必要な研究分野を評価・認定するものであり、慶大のスピントロニクス研究において大型予算を獲得するチャンスが大きく広がるだけでなく、拠点大学間の人材交流を通じた学術領域の発展と国際競争力の向上に繋がる。また、これらの予算を活用してセンターオフィスと共通研究スペースを開設し、センター所員の有機的な連携を実現することにより、スピントロニクス研究において新機軸を生み出す。

2019年度 事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

主な活動内容は下記のとおりであり、スタートアップセンターとして十分な成果をあげている。

1.国際会議/研究会の共催・協賛

  1. 第1回慶⼤スピントロニクス研究開発センター研究会「スピントロニクスの新たな潮流」(2019年7月8日, 慶應義塾大学)
  2. スピントロニクスセミナー「ダイヤモンドNV中心を用いたスピン計測・イメージング」(2019年5月30日, 慶應義塾大学)
  3. 日本磁気学会第224回研究会「磁気キャパシタンス効果の新展開」(2019年7月29日, 中央大学)
  4. 日本材料科学会 第 6 回 マテリアルズ・インフォマティクス基礎研究会「表面、ナノ構造におけるエネルギー材料開発と低次元物理現象」(2019年8月30日, 慶應義塾大学)
  5. 第35回Computational Materials Design (CMD) ワークショップ(2019年9月2日~6日, 大阪大学)
  6. International Mini-Workshop on Biological Sensing and its Application(2019年10月9日, 慶應義塾大学)
  7. 光科学セミナー「原子の量子射影雑音の観測とその応用」高野哲至博士(日亜化学工業株式会社)(2019年11月6日, 慶應義塾大学)
  8. 第3回CSRN-Tokyo Workshop 2019「スピントロニクス新機能物質と巨大物性応答」(2019年11月22日~23日, 東京大学)
  9. 第18回スピントロニクス入門セミナー(2019年11月27日, 東京農工大学)
  10. スピントロニクス学術研究基盤と連携ネットワーク拠点(Spin-RNJ)2019年度年次報告会(2019年12月9日, 大阪大学)
  11. 第24回「半導体スピン工学の基礎と応用」(PASPS-24)研究会(2019年12月17日~18日, 東北大学)
  12. 電気学会A部門マグネティクス研究会「ナノスケール構造磁性体、磁性材料、磁気応用一般」(2019年12月19日, 慶應義塾大学)
  13. Industry-UCB-UEC-Keio Workshop 2019(2019年12月10-11日, 慶應義塾大学)
  14. 第36回Computational Materials Design (CMD) ワークショップ(2020年2月17日~21日, 大阪大学)

2.広報・アウトリーチ活動

  • 第20回慶應科学技術展(Keio Techno-Mall 2019)にブース出展(2019年12月13日, 東京国際フォーラム) http://www.kll.keio.ac.jp/ktm/

3.国際会議派遣補助

  • 30th International Conference on Diamond and Carbon Materials 8-12 September 2019 | Melia Lebreros, Seville, Spain. 学生2名を派遣

4.慶大理工学部の研究共有スペースを利用したセンターの研究スペース拡充

5.微細加工装置など共用設備料金の補助

公刊論文、学会発表、イベントなど社会貢献の実績

本センターは、国内外の研究ネットワーク形成を目的としており、国内外との共同研究を主たる実績として評価すべきである。したがって、共同研究に基づく成果のみを記載した。

  • 公刊論文数(国内での部局を超えた共著論分数:28、国際共著論文数:11、主たる雑誌名:Physical Review Lettersなど)
  • 国際学会での基調講演・招待講演の数:20
  • シンポジウム・ワークショップ等の開催数:14(前記項目■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度を参照)

センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄

日本のスピントロニクス分野の研究者コミュニティの代表として、東大・東北大・阪大・慶大の4大学が「スピントロニクス学術研究基盤と連携ネットワーク(Spintronics Research Network of Japan, Spin-RNJ)」拠点形成計画を「学術研究の大型プロジェクト-ロードマップ2020」として応募し、重点大型研究計画として採択された(採択日:2020年1月30日)。

所員

所員(兼担)

能崎幸雄 理工学部 物理学科 教授
伊藤公平 理工学部 物理情報工学科 教授
江藤幹雄 理工学部 物理学科 教授
斎木敏治 理工学部 電気情報工学科 教授
佐藤徹哉 理工学部 物理情報工学科 教授
白濱圭也 理工学部 物理学科 教授
松本佳宣 理工学部 物理情報工学科 教授
的場正憲 理工学部 物理情報工学科 教授
神原陽一 理工学部 物理情報工学科 教授
田邉孝純 理工学部 電気情報工学科 教授
早瀬潤子 理工学部 物理情報工学科 准教授
牧英之 理工学部 物理情報工学科 准教授
渡邉紳一 理工学部 物理学科 教授
安藤和也 理工学部 物理情報工学科 准教授
栄長泰明 理工学部 化学科 教授
海住英生 理工学部 物理情報工学科 准教授