人工知能(AI)技術の普及により、一見して本物と区別不可能なほど精巧に合成された個人の画像、音声又は映像(動画)を作成することが容易になった。このようないわゆる「ディープフェイク」は、政治的な文脈において悪用されれば、特定の政治家の発言を捏造することもできてしまう。
しかし、問題は政治的文脈には限られない。例えば、自分が実際に性的行為を行っているかのような画像や動画、あるいは自分が実際に出演しているかのようなポルノ動画が制作され、インターネット上に拡散されるかもしれない。これが「ディープフェイクポルノ」と呼ばれる問題である。
刑事法の分野では以前から、自己の容ぼうが撮影又は使用された場合について、盗撮動画の拡散やアイコラ(アイドル・コラージュ)との関係で、名誉毀損の成否が議論の対象とされてきた。また、性的姿態の盗撮については、本年7月に性的姿態撮影等処罰法が施行されたものの、映像・画像の改変については同法の対象とはされていない。さらに、いわゆるリベンジポルノ防止法や児童ポルノ禁止法との関係も、なお議論を深める余地が残されている。
本ワークショップでは、サイバースペースにおける個人のアイデンティティに対する法的保護の一環として、刑事法の解釈および立法の方向性について整理を試みる。
【登壇者】
上田 正基(神奈川大学)
【司会】
斉藤 邦史(慶應義塾大学)
【主催】
・慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)
・サイバーフィジカル・サステナビリティ・センター(CPSセンター)
【日時】
2023年8月29日(火)16:00~18:00
【場所】
オンライン (Zoomウェビナー)
【対象】
どなたでもご参加いただけます※事前申込要
【言語】
日本語
【参加費】
無料
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※この研究会は、JSTムーンショット型研究開発事業JPMJMS2215の支援を受けています。