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2024年2月24日(土)と2月25日(日)にウクライナ文化の挑戦-激動の時代を越えて シンポジウム Challenges of Ukrainian Culture Beyond Turbulent Timesを開催します。

ロシアによるウクライナ侵攻から2年余りが過ぎる中、国内でも国際政治、軍事研究、政治学などの専門家の解説を通じて、戦争の背景や歴史的経緯についての基礎的な知見が広く共有されつつあります。しかしながら、戦争の一方の当事者であり、侵略に抵抗するウクライナの社会や文化については、国内に専門家が少ない事情もあり、ほとんど理解が進んでいないのが実情です。

対象となる国や社会の理解にとって、歴史や政治と並んで、文化面の理解が重要であることは言を俟ちません。なぜなら、当該社会における民俗、習慣、言語活動、文学、芸術一般までを含む文化実践の理解が、その社会で生きる人びとの経験と感情の次元を明るみに出し、政治的な主体としてのあり方を支える世界観の内在的な理解を促すからです。

キエフ・ルーシの時代に遡り、コサックによるヘチマン国家の台頭を経て歴史的に形成されたウクライナの国民意識は、ポーランド王国とロシア帝国、そしてソ連邦による長年の支配を通じて独立と隷属のはざまで揺れ動き、ソ連崩壊を契機とした独立以降にはロシアとヨーロッパのはざまで引き裂かれてきました。そして、ロシアの侵略という国家存亡の危機を経た今、ウクライナの国民的アイデンティティは様々な文化実践を通して劇的な変貌を遂げつつあります。

そこで、国内外で活躍するウクライナ社会・文化の専門家とともに、近年のウクライナの動向に注目して発信に努めてきた論客を一堂に集めて、ウクライナの社会と文化を多角的に論じるシンポジウムを企画しました。本シンポジウムでは、隣国に支配された歴史に翻弄されながらも過去から現在へと継承されてきたウクライナ文化の系譜を辿るとともに、とりわけマイダン革命とロシアとの全面戦争以後のウクライナで展開されてきた文化実践の諸相の考察を通して、そのダイナミックな社会変動を浮き彫りにすることを目指します。


【開催日時】
 2024年2月24日(土)13時00分~18時30分
 2024年2月25日(日)10時30分~17時30分

【開催場所】
 日吉キャンパス 来往舎1階 シンポジウムスペース

【参加対象者】
 塾生・教職員・塾員、研究者、一般

【費用】
 無料

【申込】
 オンラインの場合は事前登録制
 対面参加の場合は不要
 申込はこちらから。

【共催】
 ・人間文化研究機構 グローバル地域研究推進事業「東ユーラシア研究プロジェクト」
  国立民族学博物館拠点

 ・文部科学省 科学研究費 基盤研究(B)「大国主義の現代史」(代表:宇山智彦)・挑挑戦的研究
 「革命を踊る:中国とソ連における身体表象のインターテクスチュアリティ」(代表:田村容子)

 ・慶應義塾大学教養研究センター

お申し込み内容等の詳細についてはこちらをご確認ください。