身の回りにあるさまざまな現象について独自の方法で芸術への読みかえを行い、そこにあるシステムやゆらぎのプロセスを可視化・可聴化していく三原聡一郎。メディアアートの基盤となるフリーカルチャーやオープンソースプラットフォームといった民主化されたテクノロジーの視点・方法論から、開かれた系(システム)のあり方を探り「装置としての芸術」の探究を行っています。
我々を取り巻く現象・事象に焦点を当てた制作活動を展開してきた三原は、近年、それらをマッピングすることで、自身の作品と制作の関心が「振動」「呼吸」「粒子」の3カテゴリーから成ることに気づき、「空気の芸術」と名づけました。加えて、三原は作品の「レシピ」づくりを実践しています。レシピとは、三原の作品の根幹であるゆらぎのプロセスを想像する方法自体をアーカイヴ化していく試みです。そこでは、芸術作品のメカニズム詳細を可能な限り記載すること、レシピに準ずる限り再制作を許可することなど、芸術実践における循環や還元性についても思考しながら、実験的に制作が進められています。
本展覧会では、新作の《粉を挽く》を加え、近年の三原の制作活動を一望することで、我々を取り巻く循環的な世界にさまざまな切り口から迫る「空気の芸術」について体感いただくとともに、「レシピ」の展示を行います。作品とレシピを同時に示すことで、作品と記述のあり方、想像力を他者と共有する試み、作家の生前意思、再制作・再展示といった問題をめぐる、三原の関心と実践に光を当てます。
【開催日時】
2024年6月3日(月)~8月3日(土)11:00-18:00 土日祝休館
特別開館|6月22日(土)、8月3日(土)
臨時休館|6月24日(月)、7月29日(月)
【開催場所】
慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)
【参加対象者】
どなたでもご覧いただけます
【事前申込】
不要
【費用】
無料
【主催等】
主催 :慶應義塾ミュージアム・コモンズ
特別協力:株式会社ニソール
協力 :株式会社田村商店
京都芸術センター 制作支援事業
【問い合わせ先】
慶應義塾ミュージアム・コモンズ
【関連イベント】
1.アーティスト・トーク|2024年7月8日(月)18:15-
会場及びご参加方法等のイベント詳細は、決まり次第ウェブサイト他でお知らせいたします。
※会期中には、この他の関連イベントの開催も予定しています。詳細はウェブサイト他にて
お知らせいたします。
2.展覧会記録集年内刊行(予定)
※展示作品および関連イベントを網羅した記録書籍を刊行予定です。
お申し込み内容等の詳細についてはこちらをご御覧ください。