「中国化」は習近平政権における宗教政策の中心的概念であるが、その内容は曖昧かつ複雑で、政治的意味と文化的意味の両方を含んでいる。この政策は、まずは近年における中国政府とキリスト教・イスラム教・チベット仏教などの「外来宗教」の一部の信者との間の緊張関係と、権力側が民族主義的感情と文化特殊主義的論述を動員して統治戦略の正当化を図ろうとしていることを反映している、と言える。
しかし、より長期的な視点に立てば、この政策の目標は中国共産党の支配体制における政治と宗教との関係の基本的な規範を再確認し、宗教問題や民族問題における中央権力の絶対的な権威を再構築することにある。 今回の講演では、まず百年来の中国共産党の宗教政策の変遷をふり返ったあと、「宗教の中国化」政策の言説の構築過程とその内容について考察を行い、さらにこの政策の宣伝と実施についての簡単な説明と評価を行う。
講演言語:中国語(日本語通訳有)/通訳 : 山下一夫(慶應義塾大学理工学部教授)
【開催日時】
2024年7月23日(火) 16:30~18:30
【会場】
日吉キャンパス 来往舎2階 大会議室
【参加対象者】
研究者・塾生・教職員・塾員
【使用言語】
中国語(日本語通訳有)
【参加費】
無料
【事前申込】
不要
【定員】
約80名
【主催】
慶應義塾大学教養研究センター
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