【講演要旨】
量子力学は、原子や電子など極微の世界を支配する理論です。そして、私たちの使っている情報技術の基礎には、微細化技術・半導体物理などがあり、それらの多くは実は量子力学によって支えられています。そしてさらに、この原理を使うと、従来のコンピュータでは不可能だった計算の道が拓かれます。量子重ね合わせやもつれ(エンタングルメント)といった量子現象を用いることで、特定の問題において劇的な計算高速化を実現できる可能性があるのです。近年、この「量子コンピュータ」開発の進展は目覚ましいものがあります。それは今年のノーベル物理学賞が「量子状態を人工的に制御し、マクロな世界でも量子のふるまいを実証した研究」に授与されたことからも伺えます。
2025年は、量子力学誕生からちょうど100年にあたる節目の年として、国際的にも「国連量子科学技術年」と定められています。本講演では、このような歴史をふりかえりつつ、量子コンピューティングの原理・現在の開発状況・応用・将来性などについてお話しします。
【開催日時】
2025年12月10日(水)16:30〜18:00
【開催場所】
日吉キャンパス 第2校舎2階 224番教室
【講師】
山本直樹
慶應義塾大学理工学部教授、慶應量子コンピューティングセンター・センター長
【参加対象者】
一般・学生・教職員
【費用】
無料
【事前申込】
必要 (申込はこちらから)
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